あーらん ジャーナル

思った事をそのままに

奇跡の脳 脳卒中体験を語る/ジル・ボルティ・テーラー

私はTEDが主催するTED カンファレンスが大好きです。TED(カンファレンス)とは、様々な分野の専門家がプレゼンテーションするもので、現在ではNHKでも取り上げられているし、ネット上でも見られます。ちなみにボランティアの方々が日本語訳をつけてくれているものもあります。

 

たまに、面白いスピーチを紹介したいと思いますので、よかったらおつきあいください。

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今日は、ジル・ボルティ・テーラーの「奇跡の脳 『脳卒中体験を語る』」です。ジルは統合失調症の研究者です。そして自らが脳卒中になった際の体験をせきららに語っています。

 


「奇跡の脳」脳卒中体験を語る / ジル・ボルティ・テーラー - YouTube

 

 

話がとても上手いので面白いのですが、彼女が「脳の研究者として」脳卒中を体験しているという特異で貴重な体験をしている点が私にとっては興味深いです。

 

研究者というのは、自らが実験台になったり実際に体験したりすることはあまり無いでしょう。政治の研究者は大統領ではないし、アフリカ研究者はアフリカ人ではない、小児医学者は子供ではないし、カエルや昆虫の研究者はカエルでもないし昆虫ではない。

 

私も研究畑に足を突っ込んだので分かるのですが、研究者自身は研究対象そのものになれることはないし、対象そのものになってしまえば客観性を欠くのでなるのは難しいです。(データの1部であれば、なれる場合もあると思いますが) でも、自らがその研究対象だったらどんなに理解が進むのだろう、もしくは自らの仮説検証にどんなに確信が持てるだろうと思うことがあります。

 

変な話なのですが、このスピーチをしているジルが脳卒中を体験してちょっと喜んでいるし感動しているというのが、すごくしっくりくるのでした。